2007/09/20(木) 22:44 - star dust 組 papillon (男)
Bar StarDust
(ああ・・・ストレス!電子決裁システム導入だって!人間は機械じゃないんだから
まったく!! 今日は飲むわよ)
「いつも売上にご協力くださいまして感謝申しあげます!メアリー様」
「でもさ、仕事や人間関係のストレスはくだらないことを考えたり、大酒飲んだり
バカ遊びして消してしまうに限るさ」
「さあ、一気しましょう!」
(マスターも、だいぶストレスたまっているわね?)
「いや、捨てるから、大量に入ってくるので、腐らないうちに、そのつど全部捨てる
生ごみと一緒さ!」
「今日も、脳が若返りそうな発狂しそうな話題だよ 笑)」
(つまらないわ で、どんな話?)
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『逆転の世界~脳の驚くべき適応力』
「ヒトの目ってさあ、カメラに似ていて、レンズ(水晶体)を通過した光が、上下にも
左右にも逆転した像を網膜に送られるのさ、つまり逆さ像」
(知っているわ)
「いいかい?網膜で逆転した像は逆さのまま脳に送られる、つまり網膜の逆転した像の
左右の関係は脳についても逆転していることになるんだ。」
「この逆転した像を目の前にプリズムをおくことによってもう一度逆転させ、結果的に
脳には正立した像を送るようにする実験が行なわれたんだ」
「片方はプリズムの入った実験用のメガネ、もう一方の目は覆ってね」
「一日中このメガネをかけ続け、そのまま数日を過ごすと、どうなると思う?」
(・・・・想像できないわ)
「メガネをかけた直後は逆転していた視覚世界は、やがて正立するようになる」
「ただし、ひどいもので逆転メガネをかけた直後は頭の動きに伴って、視野が上下左右
に激しく揺れ動き、重症の船酔いに似た症状で2時間以内にへたり込んで食べたもの
を吐いてしまうほどひどいらしい」
(船酔いや、お酒を飲んで相当酔っ払っちゃった状態ね?)
「きみが正常な状態で頭を動かすとき、視野はどう動くかというとね、頭を動かす方向
と逆方向に動くのさ。でも、きみは頭を動かす方向を知っているので、頭を動かした
とき、回りの世界が逆方向に動いたなどと感じることがないのさ、最初からそうだから」
(ふーん なるほどね)
「要するに自分の頭が動いているという情報が、視覚空間の認知のシステムに伝えられ
視野の動きを打ち消しているのさ」
(難しいわね なんだか・・・・・)
「ところが、逆転メガネをかけると、視野は頭を動きと同じ方向に、頭の動きのスピード
と同じスピードで動くんだよ。想像できないだろ?」
「さらに、きみの脳は、自分の頭がある方向に動いたから、視野は逆方向に頭と同じスピ
ードで動くに違いないと判断する」
「そこで、その動きを打ち消すように、視野を順方向へ動かしてしまうのさ、その結果と
して、視野は、頭を動かしたと同じ方向へ、頭の動きの二倍の猛スピードで動くことに
なる、とても考えられない不思議な世界が想像できるよね?」
(あ~ 頭が変になりそう )
「つまり、上下逆転メガネをかけたときの異常感覚は、見える自分の体と、感じられる自分
の体との分離であると言えるのさ」
(もっと、わかりやすく説明してよ)
「えーと、そうそう、逆転メガネをかけて下を向くと、自分の姿が向こう側に、こちらを向いて
見えているってさ、この状態で立小便をするとどうなる?」
(わからないわよ!)
「小便が自分に向かって飛んでくる印象を受け、思わずのけぞってしまうんだって!笑」)」
「でも、上下逆転メガネをかけて数日経過すると、見える自分の体の位置と、感じられる自分
の体の位置とが、いつのまにか一致するようになるんだって、不思議だね、人間の体って」
(つまり、逆さ世界になれ感覚も逆さに慣れてしまうってことね?)
「そういうことだね!従って、逆転メガネによる視野の逆転への適応は、視覚野のマップ自身
が上下左右に逆転したのではなく、視野空間の解釈のシステムが新しい視覚像に柔軟にしかも
1-2週間という比較的短時間に対処してしまうようだ」
(脳が適応するために、自動プログラミングで勝手に対処してしまうのね?)
「そのようだね、だから年齢に関係なく、いくつになっても視覚空間の世界を経験によって大きく
変更する力を人間は持っているということは驚くべきことだね?」
(わたしたちには、不思議なメカニズムがいっぱい秘められているのに、使い方を知らないだけかもね?)
「で、使い方がわかったところでどうなる?何の役にもたたないよ!それどころじゃないだろ?
生きるか死ぬかの生活の中で、そんな余裕なんてないさ・・・」
(こうして、お酒を飲む余裕はあってもね?)
「酒とタバコはお金の代わりにこの身を削って捧げるお賽銭みたいなものさ・・・」
(それで・・・いいことあるかしら?)
「あると想えばあるさ・・・・・・」
(さあ!もう一回・・・一気する?)
【参考:引用 Nature, 380, 523-526, 1996 】