2007/03/09(金) 13:45 - StarDust 組 Papillon (男)
-氷の微笑-
某大手美人社長から電話があり事務所を訪ねると、
うちの事務所とは大違いでインテリアからして花園の世界
洒落たオフィスビルにあり、受付嬢に名刺を差し出し、暫らくして秘書であろう明らかに服装が違う女性に奥にある豪華な社長室に誘導される
この間一人でふらっとうちの事務所に来たときとは大違い 憂いを帯びていて威厳がある
「先日は、お忙しいのに私どものところまで足を運んでくださいまして、ありがとうございました サンプルはお試しになりましたか?」
{こちらこそ 突然訪問して失礼いたしました 先日いただいたものは今、研究室で 検討させていただいております 今日は急にお呼びして・・・まさか、すぐ来ていただけるとは・・・よかったかしら?}
「私もお会いしたかったところでした。なんとかスケジュールの調整がつきましたので、とんできました。お気になさらないでください」(心の声・・本当は7時までは今日はスケジュールはがらがらさ)
シビアな駆け引き、腹の探りあいがこれから始まろうとしている。
彼女が時々見せる厳しい表情と相手を試しているような油断ならない氷の微笑
多分こう思っているだろう・・・
{貴方のペースには乗らないわよ 私はこの事業を立ち上げるのに10年以上もかけたの
女一人全てを賭けて、そのために昼も夜も働き、夜はお酒を無理して飲んでクラブを切り回し数年かけて財界、政界とのパイプも作ったわ 売上げも全てこの事業の研究開発費につぎ込んできたわ 貴方はたった1年にも満たないで、私の修羅場と比べたら・・・}
実際、彼女はそのようにして今を築いたのでした
お互いが一人の人間としてではなく、精密機械のように相手の言葉一つに会社の利益計算を頭の中で試行しながら次の言葉を慎重に探していく
氷の世界