昨日(10月22日)、養秀同窓会館で二〇会の総会が開かれた。小生たち最後の一中生(昭和19年入学)はなにしろ最下級生だから、先輩たちの前で粛々と座っているわけだが、今回の議題として「最近建立された一中健児の像をもう一体建立するということ」が論議された。何気なく今まで像を見ていたんだが、どうもピンとこないものがあり、「なんでかねえ」と、感じてはいたが、もう一体建立するとなると、なんでかねえでは済まされないなにかがあるような気がして、考えた。どうもこの像の前に立って、ちっとも感興がわかないし、緊張感も覚えない。70年前のこの地で、鉄血勤皇隊として動員され、眦を挙げて宿敵撃滅の気合いを込めて出撃した、一中生たちの漲るような緊張感がないのだ。そして、この像と同じような像を反対側に建立するということを想像すると、「ちょっと待って下さい」と、手を上げたくなる。恐らく、さっとデザインして、中国の業者に彫刻させ、設置したものだろう。なぜ、足元にある県立芸術大学にいるであろう彫刻科の教授や学生に頼まなかったか。名著「県立一中鉄血勤皇隊」を熟読させて、健児たちの身になって時間をかけて彫刻してもらえば、もっと緊張感を共感できる像ができたはず。今の像は、昭和14ー5年頃ののんびりした時代の一中生の姿として設置し、もう一体建立するとしたら、出撃前の凛々しい姿の健児像を望みたい。そうすれば、左に平和、右に戦争という対比になり、反戦平和の透徹した思想が表現できるだろう。そう考えて、同窓会事務局に提言書を提出した。諸君はどう考えますか。