捕獲したハブを保護、収容し、教育、観光、に生かそうという案の実現のためには、収容所を設定しなければならない。その場所を探すのに、玉陵周辺を踏査した。そしたら、格好の場所があった。守礼門の近く、玉陵の東に隣接して、「国立公園管理事務所」があり、その南側にかなり広い空地がある。ここは、昔、第一尚王統時代に名刹「天界寺」があったといわれる個所である。第二尚王統(尚円王以後)になって、うち捨てられたり、再建されたり、結局、沖縄戦にも打ち砕かれ、今は、ただ古い井戸がポツンとのこっているだけである。この広い敷地があれば、首里城台地のハブ全部を収容するのに十分な広さの施設ができる。尚巴志の代から、歴代王統が石と戦い、ハブと戦い、ようやくにして壮大な首里城を築くに至る歴史をジッと見つめてきたハブ一族を、因縁深いこの林にご案内して、末永く琉球(沖縄県)を見守っていてほしいのです。